スマートウォッチが流行っている昨今だが、腕にはめるのは純粋に時計がいいと考えていて、ソーラー電波の腕時計がシチズンのアテッサ×2とG-SHOCK×2の計4本ある。
腕時計も流行っていないわけではないが、話題はもっぱら機械式で、ソーラー電波なら電池交換が不要で時刻も正確だといっても誰も耳を貸さない。
機械式腕時計はそんなにいいものだろうか、と多少は気になったが、「これはかっこいい!」と思ったものを見に行くと100万円とかでそっ閉じ。流行るのはいいけど値段の感覚がおかしいだろう。
チタンの軽い製品があればもう少し食指が動くところだが、ブロンズはあってもチタンはそうそうない。シチズンもチタンの機械式はなくて、これはおそらく防磁のためと考えられる。
一方で、IWCのパイロットウォッチは昔のドイツ空軍が使っていたものの意匠を受け継いでいると聞き、それは悪くないと思ったが、値段が値段なので手が届かない。検索してみると、ドイツのブランドのLacoも同じような意匠の時計を売っていて、こちらの方は大戦中にドイツ軍に納入してましたとある。そして値段もIWCの1/10以下。まあこういう変わったやつがあってもいいか、とつい買ってしまった。
Lacoのパイロットウォッチ・アウグスブルク42というらしい。黒い盤面に針や文字等が蓄光塗料で実用的なデザイン。12時の位置に△があるのがドイツ軍仕様。茶色い革バンドを2つのビスで留めているのもドイツ軍風。
ただ、「Laco」のエレガントなロゴが武骨な雰囲気に合わない。ロゴの下に「1925」と書いてあって、これはやや古いロットで、現在売っているものはこの文字がない。それでも、ドイツ軍パイロットのコスプレする機会があれば、腕にはめておきたいアイテムと言える。古いロットなのでそこそこ安く買えた。
裏側はシースルーになっていて、自動巻きのメカニズムが見える。ケースはステンレス鋼でガラスはサファイアガラス。5気圧防水で十分に実用的。精度ははっきりしないが、1日使っていて困るほどは狂わない。
腕にはめるとこう。革バンドは厚くて固い。それより、一番小さい穴でも自分の腕にはユルユルで、いつの間にか時計が腕の下側に回りこんでしまう。
ドイツ人腕太過ぎだろうと思うが、あるいはこんな具合に上着の上に巻くことを想定しているのかもしれない。しかしこれは本職のパイロットが真剣に時刻を見たいときの使い方で普段使いでこれはなかろう。
バンドの問題で普段から使う気にはならず、たまに眺める程度にしていた。また、腕にはめて使っていると止まらないし時刻も十分に正確だが、外すと数時間で止まってしまうので置時計として使うのも不便だった。これについては長く使えば「慣らし」が終わってカタログ値通りの時間動いてくれるかもしれない。
買ったもののほとんど使わないこの時計を眺めては、バンドさえ変えれば使えるのになーと思うことしばし。検索したら元のバンドはバネ棒を外せば取れると分かった。それならと、バンビのNATOストラップを買ってきて交換した。
いっきにミリタリーっぽくなった。
腕にぴったりになるように調整できる。そうすると重さがちょうどよく、ナイロンの通気性もよく、いっきに「使える」時計になった。左腕を動かすと自動巻きの動きが微妙な感覚で伝わってきて面白い。これなら手間のかかる機械式の腕時計を使う人が少なくないことも納得。
なお、これを買ってから後にシチズンのプロマスターに機械式のパイロットウォッチが追加された。
ソーラー電波の製品は買う気満々で店舗まで行って現物を見てやめた経緯がある。先にこれが出ていたら買っていたかもしれない。今は腕時計は十分な数があるので当面買わないよていのだが(ソーラー電波の製品が10年以上余裕で使えるというのは予想外だった)。