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高沼用水路(南与野~中浦和)

前回から半年ぐらいたってしまったけど高沼用水路の残り区間を歩いてきた。

glemaker.hatenablog.com

まず埼京線南与野駅下車。

高沼用水路西線はここで埼京線・新幹線と交差。

駅のすぐ北で暗渠になって駅前ロータリーをくぐる。

そしてロータリーまわりの区画の南で地上へ。中央の木の下のあたりが出口。

その先は普通の小川。護岸が昔ながらの土で「河童の森」と呼ばれ水遊びなどできる場所になっている。

そして高沼用水路東線へ。

用水路は与野南中学校の敷地を縦断している。下流側では護岸などを整備するため準備中。

与野南中学校の校庭は用水路より一段低くなっていて、水量が過剰になったときは用水路の水が護岸を超え中学校の校庭に溜まるようになっている。そうすることで下流で洪水が起こるのを防ぐ。

江戸時代に整備された用水路は、今では治水のために利用されている。

下流に歩いていくと護岸整備の準備が進んでいる。

新しくできた道路の下は先行して整備済。

大戸公園のところはまだ昔のままで、ヨシかガマか、川に植物が思いっきり生えている。

下流側で他にも護岸工事をしているところが。

迂回して護岸に戻り、歩いているとカワセミに遭遇。手持ちの広角レンズでは撮影できず。

南下しているうちに川に沿って歩けない場所に。

迂回して用水路に戻ると、去年遭遇した「よどんだ水路」だった場所に。

うっそうとした藪はきれいに刈られ、水の流れはホースに移され、川底を浚渫して深くしている。

↑が去年の夏。この夜に歩いたら怖そうな風景はもう見られない。

岸に上げられた川底の土が黒いのは有機物が分解されずに残ってるせい。水がよどんでいると酸素がなくなって微生物による有機物の分解が進まなくなる。その状態で有機物の供給が増え続けるといわゆるヘドロ化する。ここの土は悪臭を放ってるわけではないので、ヘドロというほどではない。

武蔵野線支線との交差部の工事はこれから。

用水路の西線との分岐で、東線への水がシャットアウトされてたのは、河川整備の工事を行うためだったと理解。それでも地下水が染み出してくるのでほとんどの区間は水がある。しかし、写真にあるような細いホースで流せる程度の流量。

線路の反対側はまだ以前からの状態が残っている。

用水路は台地の脇を離れ市街地へ。

住宅の合間を流れる小川になっている。

バイク屋のサニトラ。

その向かいの用水路。この通り植物がたくさん生えている。

白い花は湿地性カラー。ほかにも水辺の植物や水草外来種のオオフサモ)が生えている。

この川がいわゆるドブ川ではなく、地元から愛されている小川だということが分かる。過去はどうか分からないけど、今は見たところ生活排水が流れ込んでなく、水も比較的きれい。

とはいえこの区間も工事がいずれ始まる。

下流に進むと中浦和駅の手前で暗渠に。

そしてさらに下流も暗渠で続く。

その先へ行こうと4週間後に来てみた。市街地区間の工事が始まっている。

川底にベニヤ板で仕切りがあって、その先で水路が深くなっているのが分かるかと思う。護岸工事は水路を深くして、水がよりスムーズに流れるようにするためのものだと理解。

高沼用水路は昔このあたりにあった鴻沼を干拓したとき、水田に水を引くために開発された水路。つまり、高沼用水路の東線と西縁の間は昔沼だった。なので、今は市街地になっているけれど、大雨が降ると浸水するリスクが高い。このため、やむを得ず高沼用水路の水路としての能力を高め、この地域の水はけをよくするために工事が計画されている。

植物が豊かに生える小川の景色が変わるのは残念だけど、安全には代えられない。

中浦和駅から下流へ。自動車整備工場のピカピカのピアッツァ。

中浦和駅からずっと暗渠。

そこから急に水路は右に曲がる。

暗渠化される前の橋はそのまま残っている。

線路を超えた先も暗渠。

そして右から来た別の水路と合流。

左に曲がって、最後の区間

暗渠のまま終点へ。この先は鴻沼川。

水門があってそこを抜けて鴻沼川に合流。

鴻沼川へはこんな感じで落ちている。

水路の断面を大きくしているのに出口の面積がこれでは足りないかも、とちょっと思う。あるいはここも再整備されるかもしれない。

水路の左岸には神明神社古墳がある。つまりこの古墳のあたりは古代から陸だった。沼だったのは水路の右岸側。

こちらは西線の終点の水門。

鴻沼川の橋の上から下流を。手前に東線、右に西線の水が落ちているのが分かる。

高沼用水路というのを知って歩いてみたが、この1年で景色がだいぶ変わったのは驚いた。偶然にも河川整備事業が開始された時期だった。この水路だけではなく、見慣れた景色も気がついたら変わってることがよくある。その時はつまらなく思える景色でも、できるだけ写真に残しておくのがよいのだなと改めて思った。