Great Spangled Weblog

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電脳コイル

東京国際アニメフェアで存在を知らなかったら、1話から見ることはできなかったかもしれない。

このイベントで同作のブースは一発で私の興味を惹いた。萌えアニメと対極にあるようなラフな作画。それでいて何か魅力的なキャラクター。そして絵全体の雰囲気のあるタッチと色合い。NHKで放送予定というのを見てナルホドと思った。

楽しみにしていた5月12日は、しかし、直前に体調を崩してしまい、鬱で寝込んでいる状態で見るということになってしまった。こういうときはアニメを見るのが辛い。

そういう状況で見た1話は、ゆるやかな話の滑り出しで、見ていて以外に楽なものだった。鬱でも見られる優しいアニメだと思った。逆に、1話だけではそれほど素晴らしい作品には見えず、あと何話か様子見だなと感じた。

2話以降は、調子が徐々に戻ってゆく中で見た。話がだんだん面白くなってゆくように感じた。それが自分の変化によるものか、作品がそういう作りなのかまではまだ峻別できないが。

で、4話から釘づけ。学校でイサコが黒客の悪ガキどもとサイバー戦というすごい話。ここではイサコが余裕の戦いぶりで見事勝利。この戦闘シーンに興奮し、イサコ様の神々しさに脳味噌をやられた。

5話は黒客とイサコ様の関係がより深まる話。ついに黒客を支配下に置くイサコ様。神々しさに磨きがかかる。

6話はイサコ様はひとまずお休みで、7話がまたイサコ様。ヤサコと一緒に閉じ込められて二人は急接近。面白いのは、ここでイサコ様がいくつかボロを出して、完璧な人間ではないというのが見えてくる。うっかり閉じ込められるし、京子にスルーされてヤサコと二人でがっかりしているし、机の下でワイヤーに服がひっかかるし、黒客どもはイサコ様の目が届かないのをいいことにサボっているし。こうしてイサコ様も人の子だというのが分かり、キャラに親近感がわいてくる。そうして話の最後で京子を助けるイサコ様。女王様に人間らしいところが加わって、よりキャラクターの魅力が増すという仕掛け。

萌えキャラとは本当に対極にある、例えば目つきが悪かったりする絵柄だけど、こんな具合でドラマが作ってあるので、キャラにも十分感情移入できる。ここにきて『電脳コイル』は毎週もっとも楽しみなアニメの一つになった。来週なんてイサコ様が髪おろして浴衣デスヨ!

つけ足すならば、このアニメはエロい。どこがそうかはいちいち書かないが。ともかく、エロさにおいてもNHKアニメの水準を十分満たしていると言える。この点でも期待を裏切らない。

この辺でまた1話から録画を見直してみたいと考えているのだが、わが家のHDDレコーダーがアナログ放送しか録画できないことが問題となっている。TVの方でハイビジョンで見た印象が、アナログ放送の小さい画面の録画を見ることですり減ってしまうのではないかと危惧されるから。6/16の一挙放送が、用事があって見られなかったのが残念だ。年末年始にまた一挙放送があることを願ってやまない。