とある架空戦記で、キ100、五式戦とキ98が出てくる。
五式戦の方はずいぶんと間違いがあり、これはまたすっとこどっこいな小説があったものだと思ったが、キ98の方は、特に気にしないで放っておいた。
小説ではキ98はどう説明されていたかというと、2本の梁で尾翼を支持する双胴形式で、中央の胴体は前後にエンジンを配する双発機とある。
確かにそんな戦闘機の構想はあったなあ、ぐらいに思っていた。
それから2、3年。
最近ふと、キ98ってどんなだったっけ、と気になった。
手元に『航空情報』別冊で『知られざる軍用機開発(下巻)』というのがある。それを開くと一番最初が「キ98高々度戦闘機」だ。想像図が載っていてこれがかっこいい。
しかしよく見ると、エンジンは後ろに1基だけ。これで推進式のプロペラを回す。空いている機首は20mm機関砲×2および37mm機関砲が装備されている。
ネットでは以下に図入りで解説がある。
http://www.hi-ho.ne.jp/nomura1205/fighter_k98.htm
双発機はたしかモックアップの写真を見たよなぁ、と思い、記憶を辿りながら渡辺洋二:『未知の剣』(文春文庫)をめくってみる。163ページにその写真があった。この飛行機は何かというと、キ98ではなくキ94デナイノ!
ネットでは以下に(略)。
http://www.hi-ho.ne.jp/nomura1205/fighter_k94.htm
キ98も思いっきり間違っていたという。
世の中には変わった本もあるものである。
おかしな本をダシにして、好きな日本機について調べてみました、というのが今日のエントリー。
双胴の戦闘機は、他に海軍に「閃電」という構想もあった。こちらもかっこいい。
http://www.hi-ho.ne.jp/nomura1205/fighter17senden.htm
スウェーデンではサーブ21という双胴式の戦闘機を開発している。これは後にジェットエンジンを搭載してサーブ21Rになった。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%96_21
日本も双胴式の戦闘機が、1機ぐらい飛んでもよかったのではないかと思う。