Great Spangled Weblog

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平成20年岩手・宮城内陸地震

内陸直下型の大地震が起きた。マグニチュード7.2ということで、地震の規模はM7.3だった阪神大震災とほぼ同等。

震源が都市部ではなく山の中だったので、阪神ほどの災害とはなっていないが、大規模な土砂災害が起き、死者も今日の20時時点で4人、行方不明者も10人程度いるとのこと。荒砥沢ダム付近の、ほぼ山一つが丸ごと滑っている光景はすさまじいものだった。

新潟の2度の地震で橋は落ちなかったので、今回も橋は大丈夫かと思ったら違った。TVで見たところ2つの橋が落ちている。

一つは岩手県一関市の、磐井川の矢櫃ダムの近くにかかる橋。恐らく国道342号線の旧道。RCアーチと思われるが、支持地盤ごと崩れ落ちたように見える。

もう一つは場所は不明だが、山の中で谷間を跨ぐ3径間連続橋。固定橋脚と思われるが、それが崩壊して谷間に橋桁が落下している。

上からは橋脚がまるで見えない。設計の古い橋で橋脚の靱性が低く、せん断破壊してしまったと思われる。日本の橋で橋脚がこれほどまで完全に崩壊してしまったというのはショックだ。阪神の震災以来のこと。

橋が落ちたのとは別に、橋の耐震について考えさせられる事故もあった。

一つは、仙台空港の近くでバスが橋を渡っていたところこの地震にあい、激しい縦揺れが生じて怪我人が出たというもの。

もう一つは薬局でTVでちらっと聞いただけなので詳細不明だが、山間部の歩行者用の吊橋が激しく揺れ、渡っていた2人が振り落とされたというもの。

橋の耐震というと、今までは橋が地震で壊れないようにすることばかり考えられてきた。もちろんそれが第一だが、今回の地震では、橋の揺れで渡っている人や車がどうなるかということも考えなければいけないのではないかという問題が提起されている。たとえ橋が落ちなかったとしても、渡っている人が振り落とされて亡くなったのでは、十分な耐震性をもっているとは言えない。

話は変わるが、土砂崩れで谷底にバスが転落し、自衛隊のヘリコプターが乗客らを救助した。以下がその写真。

こんなところで救助できるのは、さすがに自衛隊しかいないと思った。