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単三電池4本でスマートフォンを充電できるモバイルチャージャー

スマートフォンの電力消費は携帯電話より激しく、長い外出のときは電池切れにどう対処するか考えておく必要がある。

以前三洋のeneloopモバイルブースターKBC-E1ASを購入して、一応非常用に充電できる用意はした。

これの欠点は、単三eneloop2本ではスマートフォンにあまり充電できないこと。そして、アルカリ電池が実質使用できないこと。

充電直後の条件がいいときはGALAPAGOS 003SHを25%ぐらい充電できるが、数日おくとよくて20%、15%ぐらいしか充電できないこともある。

1900mAhのeneloop2本で1390mAhのスマホの電池を15%充電とか、かなり効率が悪い。eneloopの持っている電力の数%しかスマホの電力として利用できないことになる。残り90%以上はどこに行くのかというと、ほとんどは熱になり、ある程度はeneloopから取り出せずに残っている。

KBC-E1ASが効率が悪いのは、以下によると思う。

  • 1.2VをUSBの5Vに変換する昇圧回路の損失
  • eneloopの放電電流が大きいことによる放電率の低下(単純計算で5〜7Aぐらい)
  • 過放電防止回路の動作により電力を十分取り出せない

昇圧回路については、eneloopを直列で使うスティックブースターなら損失がやや少なそうなので、これを使えばもう少しスマホに多く充電できると思う。

試してみたくて電気店やホームセンターを回ってみたが、震災とその後の計画停電の影響で完売。

そんななか、こんなのを見つけた。

単三電池4本でマイクロUSBに電力を供給できる充電器がけっこう前から売られていたようだ。Android機の普及と震災による充電器の需要増で普通の電気店も仕入れるようになったと。ともかく売り切れる前に出会ったのは幸運だった。さっそく購入。

中国製のノーブランドの品物ながら、電池はマクセルのアルカリ電池がついている。そんなに怪しい製品ではない。

付属のアルカリ電池は、他で使えるので取り出して保存。単三電池は入手できるようになってきてるけれど。

説明書にはアルカリ電池専用、特にニッケル水素電池は使うな、とある。

しかし手元にパナソニックの8年前買った容量2000mAhのニッケル水素電池が4本ある。何があっても自己責任ということで、これを入れて003SHの充電を試してみた。

2時間以上かかったが、40%程度まで消費していた電池が、96%まで回復した。これ以上の充電は時間がかかるので一旦終了。電池も本体も熱くなっておらず、べつだん問題はないようだった。

KBC-E1ASならニッケル水素電池4本でよくて50%充電できるところを、これだとeneloopでなくても60%程度楽勝で充電できる。非常用とか言わず、外出先で手軽に本気の充電が可能。そして、ニッケル水素電池を使い切ったらアルカリ電池を買って使える。これは頼りになると思った。

欠点は、充電ケーブルが本体と分離できないこと。本体にUSB Aコネクタがあって市販のUSBケーブルを使用できれば、マイクロUSB以外にも使えて便利なのだが。これだとマイクロUSBケーブル自体もPCからの充電などで使えて、充電器+充電ケーブルのセットなら応用の範囲がぐっと広がる。

逆に、USBの電源としてまともに作られていないので、USB Aコネクタはつけられなかったのだと思う。もちろんケーブル一体にするこでコストも安くなる。

多分、この充電器は電圧を変換する回路がなくて、単三アルカリなら4本直列で6V、ニッケル水素なら4.8Vの電圧をそのまま外に出しているのではないだろうか。昇圧回路の損失がないなら充電効率がいいのもうなずけるし、単三電池4本だから2本使うものより放電電流が少ないのも充電効率のよさにつながっているだろう。

過放電防止回路も恐らくないので、ニッケル水素電池を使うのはやはり多少のリスクはある。アルカリ電池なら電力を搾り取っても捨てるだけなのでいいが、ニッケル水素電池は下手すると痛んでしまう。しかし、スマホの電池が減りすぎる前に充電するとか、3時間ぐらいで充電をやめるとか、使い方に少し気をつければ過放電は防げるはずだ。

最近Androidスマホのシェアがだいぶ伸びてきたので、充電器も含めて今後も色々便利なアクセサリが売られるようになると思う。USB Aコネクタ装備でケーブルが分離できる充電器が出たらまた買うつもり。