国立科学博物館で2月23日まで開催されている恐竜展に行ってきた。
http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/special/2013/daikyoryu/
今回はゴビ砂漠で発掘された恐竜の展示で、化石発掘の聖地のひとつであるだけに展示がどれも貴重なものであり、かつ、展示物の実物の割合がきわめて多かった。
入場していきなりプロトケラトプスの全身化石の実物。
プシッタコサウルスのほぼ全身の化石(実物)。
これらは角竜進化に関する貴重な資料。
映画でおなじみヴェロキラプトルの実物化石。ユーラシア大陸を生息地とするドロマエオサウルス類の恐竜。前肢や後肢の鋭い爪が分かる。
テリジノサウルスの前肢の化石。でかい!
サウロロフスの頭蓋骨。角は種や固体を識別するために機能したとある。角に空洞はなく、この恐竜では角に音響的な効果はなかったようだ。鼻のまわりを膨らませて共鳴させた可能性に言及されていたから、低音で啼くことはあったかもしれない。
現生の動物ではゾウが低音で仲間と情報伝達していることが知られている。低音は遠くまで届くのと発信源が特定されにくいという利点がある。
サウロロフスと並んで展示されているタルボサウルスの全身骨格(実物)。
この2体の展示は迫力があった。
恐竜の幼体の化石は珍しいが、これはプロトケラトプスの子供15体が集まった化石。兄弟で巣にいるところを砂嵐で埋められるなどして化石になったようだ。
オビラプトル類の卵と中の胚の化石。この発見により、オヴィラプトルは名前の由来の卵泥棒の容疑が晴れ、むしろわが子を守り育てる恐竜であることが知られるようになった。
ゴビ砂漠は様々な成長段階の恐竜の化石が産出していて、写真のようにプロトケラトプスなどは成長の経緯をたどった展示がなされていた。化石の多いプロトケラトプスのみならず、タルボサウルスも子供から大人に成長する過程の化石が展示されていた。
最後にゴビ砂漠の化石発掘を紹介する映像が流れていたが、これまで発見された恐竜化石は約800種。中生代に恐竜は10万種はいたであろうから、まだほんの一部が知られているにすぎないと解説されていた。
生き物が化石になって現代まで残り、そして発掘されるというのは、本当に稀なことなのだと思った。また、未発見の化石が多いはずなので、これからも恐竜をはじめ古生物に新たな発見が続くと期待される。