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茨木県自然博物館とくだもの展

よりもいレビュー記事に3か月ほどかかってしまったので、その間に出かけた場所などを改めて記事にしてみる。

まずは11月23日に行ってきた茨木県自然博物館。

www.nat.museum.ibk.ed.jp

1994年に開館した県立の自然博物館。地方の博物館としては大規模なものでいつ行っても面白い。

駐車場から道を渡り、

緩い坂を上るとエントランス。

入ってすぐ、松花江マンモスの骨格のレプリカ。でかい。姉妹館の内蒙古自治区博物館から贈られたもの。

まずは宇宙の歴史と地球の誕生。地球に飛来した隕石が惑星のどの部位かの展示。分かりやすい。

隕石を持ち上げて重さを体験できる。隕「石」といってもほぼ金属だからマジ重い。

顎を獲得して古代の海で無双したダンクルオステウスの復元模型。

生命の歴史のコーナー。まずは初期の生物、ストロマトライトの化石。

カンブリア紀に爆発的に増えた多細胞生物の化石。その中からアノマロカリスの腕部分の化石(実物)。

レアンコイリアとマルレラの化石(実物)。バージェスモンスターはアノマロカリス以外は基本的に小さい。それにしても実物ですよ実物。

甲冑魚ボトリオレピス(ボスリオレピス)と硬骨魚類ユーステノプテロン(エウステノプテロン)の化石(実物)。いずれも淡水に生息していたと考えられる。顎を持たない原始的な甲冑魚と、両生類に極めて近いとされるより高等なユーステノプテロンが同時に生息していたというのは面白い。

今の硬骨魚類のほとんどは肺が浮袋に進化し、海に進出し、より多様な環境に適応して高度に進化をしているわけだが。

ユーステノプテロンは魚としてはむしろ原始的だけど両生類、爬虫類、哺乳類と進化した陸上脊椎動物につながる枝に近い。

水中で手足を持った両生類が進化し、陸に上がり爬虫類に進化したという展示。

「手足」が陸上進出の鍵は確かにそうだけど、瞼を獲得したことが陸上進出を決定的にしたのかもしれない。それで目を安全に守ったまま陸で暮らせるようになった。

また、脊椎動物は肉鰭類のヒレが手足に進化することで陸に上がれたわけだけど、節足動物は最初から脚や固い外殻を持っていたから、呼吸の問題だけなんとかなれば陸に上がれた。脊椎動物が上陸する前は地上は節足動物の世界で全長2mのヤスデ(アースロプレウラ)とかいた。

脊椎動物の陸上進出は水中の敵から逃れるとともに、陸上の豊富な節足動物を捕食するためでもある。脊椎度物はそれまで動物がいなかった世界に進出した、というわけではない(節足動物も植物が進出した後に続いたのだろうとも思う)。

この博物館の目玉展示。恐竜のロボット。左はトリケラトプス

右はティラノサウルスの親子。親は毛が背中の部分のみ、子供は全身というのも考証が行き届いてるなあと思う。哺乳類も巨大な種は毛が少ない。

違う場所では人類の進化の展示も。

恐竜の展示にはディノニクスの復元模型の新旧比較がある。

化石を挟んで奥が最近の復元。手前が古い復元。手前のは立って歩くトカゲ的なイメージに対し、奥の新しいものは完全に鳥(笑)。ドロマエオサウルス類は骨格がきわめて鳥に近いから、「鳥は恐竜そのもの」という認識が広まった今となると、奥の復元の方が説得力がある。

今の日本の自然の展示。生き物を100倍にして展示いているという一角は巨大なムカデが印象的。

茨木県の自然の展示には筑波山の模型が。

隣接する菅生沼の生き物の展示。

このときやっていた特別展は「くだもの展」

ようこそ、ドリアンショーへw

茨木県自然博物館の特別展は毎回充実したもので、2017年のアンモナイト展もすごかった。

こんな巨大な化石のかたまりが展示されていた。

展示を一通り見てから菅生沼へ。

もう白鳥が来ていた。

こういった湿地帯は豊かな自然が残っていていいと思うのだけど、住宅地の間にあるとなんか不毛地帯のように感じられるのかもしれない。宇都宮線から蓮田市役所横の湿地帯が見えたものだけど、今は公園に整備する工事が進んでいる。

これはこれで、水源の谷津の竹藪を伐採し、より昔の自然の状態に戻すという工事が進められている。しかし、ヨシと木が生えていた湿地は埋め立てられてしまってちょっと寂しく思う。

公園に整備した方が利用者が多くなるのは間違いないけれど。