凶器は当初「サバイバルナイフ」と言われていたが、9日のうちにダガーだったことが判明した。10日の新聞では犯人がナイフを買った福井の店が明らかになり、凶器の詳細がはっきりした。
asahi.com(朝日新聞社):秋葉原殺傷のナイフ、容疑者「福井で購入」 - 秋葉原無差別殺傷
犯行に使われたのはS&Wのダガー。逮捕された時にポケットにフォールディングナイフが入っていたとされ、犯行現場に落ちていたものが1丁、車から2丁、計5本のナイフが押収されている。
asahi.com(朝日新聞社):加藤容疑者、ナイフ5本に特殊警棒も所持 秋葉原事件 - 秋葉原無差別殺傷
秋葉原ではしばらく前から、オタクを対象に刃物携帯の摘発が進められていた。今回の事件では、これがまったく抑止力になっていなかったことが分かる。
しかし、刃物を使った無差別大量殺人事件ということで、結局刃物の規制はこれから強化されそうな気配だ。
ある程度はしかたがないかと思う。短時間に十数人を殺傷するという事態からして、ダガーというのは例え刃渡り13cmでも、立派な武器だ。両刃のダガーは今後販売自粛とか購入許可制とか、場合によってはいっさい販売不可といったこともあるかもしれない。
とはいえ、ナイフ全般がヒステリックに糾弾されるのはよくないと思う。
http://www.chunichi.co.jp/article/gifu/20080611/CK2008061102000023.html
こんな記事がある。日本は良質なナイフを世界中に輸出している一大産地の一つ。アメリカの有名ブランドでも、製造は日本の関市で行われているという例が少なくない。
県関刃物産業連合会の北村正敏会長は「ナイフはすべて悪いものというイメージをもたれかねない」と、懸念。凶器のダガーナイフが軍用、自衛用の武器であることを指摘した上で「この種の特殊なナイフの規制は仕方ないとしても、刃物全体を危険視して規制しようとするのは問題」と語る。
と、関の刃物業界もダガーの規制はやむなしとの見解のようだが、
日本輸出刃物工業組合の坂井勇平理事長(ガーバーサカイ社長)は「ナイフは釣りやキャンプ、狩猟など、さまざまな用途、種類があるが、サバイバルナイフという名でひとくくりにされることがある。マスコミでも、ナイフがきちんと理解されておらず、一般の人に誤解を与えかねない」と批判。ナイフ以外にも、包丁などの刃物が身近にあることに触れ「ナイフがあったから、事件が起きたのではない。事件を招いた背景について、冷静に考えることが大切」と訴えている。
一方ではこのようにナイフへの理解をもとめている。刃物の生産がきわめてさかんな日本では、それに見合ったほどには、ナイフについて理解があってもよいのではないかと思う。
一方で、ダガーのように人や動物を刺すしか用途がないナイフが、簡単に手に入ってしまうことが、今回の事件の背景にあるようには思う。「ナイフが元凶は心外」は言い過ぎかも知れない。
さりとて、こういう言い方はあんまりだ。
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080608-2810266/news/20080610-OYT1T00387.htm
東京・秋葉原の無差別殺傷事件で使われた「ダガーナイフ」は、人気ゲームで主人公が使う武器として登場するなど、若者の人気アイテム。
ネットのどこを見てもダガーが「若者の人気アイテム」だなんていうことを肯定する意見は見つからなかった。いささかバイアスの入った表現ではなかろうか。
話は変るが、2chの刃物板を見ていて、一つ分かったことがある。
■●刃物ニュース速報&雑談スレ 08
http://hobby11.2ch.net/test/read.cgi/knife/1204634614/
932 名前:名前なカッター(ノ∀`) 投稿日:2008/06/10(火) 18:38:33 ID:z+QLzd2/
いや、警棒でナイフを叩き落としたんじゃなくて、頭を殴って怯んだ所でピストルを出したらしい。
犯人の頭からの出血が殴られたあとだと。
現場にいた日テレの記者が言うには「みるみるコブが出来て、それから少しおとなしくなった」って言うから、有効だったのは間違いないけど。
犯人逮捕の瞬間はこのようなものだったとのこと。「ナイフと警棒でチャンバラ」、「拳銃で威嚇してナイフを捨てさせた」と断片的に聞こえてきた場面場面がやっとひとつに繋がった。今回は目撃者の多かった事件なだけに、こういった警察の働きぶりなどはもっとちゃんと報道されてもいいのではないかと思う。