昨年秋、2021年11月25日から28日までの期間限定で、立飛ホールディングスにて旧陸軍の一式高等練習機(キ54)の一般公開が行われた。
立川飛行機が最初に手掛けた全金属性の航空機。wikipediaには下記のようにある。
立川としては初めての自社開発の全金属製双発機だったが、エンジンの信頼性が高く機体の耐久性に優れ、また操縦席からの視界がよく、機内も様々な訓練に対応できる広いスペースが確保されているなど使い勝手に優れた傑作機であった。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%80%E5%BC%8F%E5%8F%8C%E7%99%BA%E9%AB%98%E7%AD%89%E7%B7%B4%E7%BF%92%E6%A9%9F
11月27日に行ってきた。
立飛ホールディングスに着いて、会場前でしばらく並んでから倉庫へ。飛行機までもう少し。それより木造の倉庫のクラシックな作りが気になった。
板硝子は微妙に波打っている。手作りで筒状のガラスを作って切って伸ばして作る、いわゆる大正ガラスだ。この倉庫そのものも貴重な文化遺産と言える。
そしてキ54と対面。
戦時中に十和田湖に不時着して湖底に沈んでいた機体。2012年に引き揚げられて青森県立三沢航空科学館で展示されていた。その後立飛ホールディングスが買い取ってこちらでの一連の展示となった。
冷たい湖底にずっといたため、金属の腐食は出ているが塗装はきれいに残っている。主翼と胴体の結合部もしっかり残っている。
右のエンジンはカウリングとプロペラがついたまま展示。
グレーの地色も日の丸も、主翼前縁のオレンジも当時の塗装のまま。
破損しているとはいえ、こうして展示すると在りし日の姿が思い浮かぶ。
水平尾翼は左右一体。
水直尾翼は外して横に置いてあった。部隊マークも残っていて筆跡が分かる。
胴体の最後端は点で終わっていて白い尾灯がある。
後部胴体内側。
キャビン内部。青いのは防錆用プライマーで、その上に緑の塗装をしているが、腐食してプライマーの方が見えているようだ。このプライマーの色がいわゆる青竹色。
胴体内の主翼の桁。桁に金具をボルト止めして胴体フレームが載せてある。
操縦席。
機首を左から。
左の主翼と、その上に置いてあるのは燃料タンク。主翼の中にこういうゴム袋が入っている。
主翼の後桁の胴体との接合部。
同じく主翼の前の桁の胴体との接合部。同様の胴体側の金具と互い違いに合わせて、中心の穴にボルトを通して止める。
計器盤。
模型。実機の塗装が良好な状態で残っていたので色合いも正確になっていると思う。
キ54は今年も一般公開するとのこと。