アメリカのガーバー社は割と気に入っているナイフメーカー。美しくて使いやすいナイフを手ごろな値段で販売している。
しかし、最近は製品ラインナップを一新していて、昔売っていた製品が根こそぎ廃版になっている。
今回のお題はガーバーの過去のナイフ、AR3.00。
ブレード長75mm程度の3インチサイズのフォールディングナイフ。重さは74g。
優美なドロップポイントで、控えめなホローグラインド。背面も削り込んであるが刃はついていない(つけると違法)。背面のグラインドのためブレードが上に反ってもエッジの境界は上反りにならずまっすぐ前方に伸びている。
ガーバーのロゴはこの頃から岩に剣が突き刺さった絵が添えられている。
アルミ合金のハンドルにゴムを貼ってある。尾端にはソングホール。
ブレードにピンがねじ止めされていて、右手でも左手でもこのピンに親指をかけて片手で開ける。ピンの頂上は丸められていて皮膚を傷付けたりしない。
ベルトクリップつき。
2002年ぐらいに都内の刃物店で7000円程度で購入した。台湾製。
当時はブレードの色に白(サテン仕上)と黒があり、さらにセレーションなしとハーフセレーションがあった。ハーフセレーションは不要と思い通常のブレードを選んだが、ブレードの黒塗装とサテン仕上はけっこう悩み、サテンの方を選んだ。銀塗装だとばかり思っていたがいっこうに剥げずサテン処理と最近気づいた。
上から。アルミ製のハンドルは2ピース構成で、ダイキャストだと思う。このハンドルがフレームも兼ねている。
ブレードの付け根の上面がやや上に出ていて、ギザギザがついているので、刃に力を入れるときはここに親指を載せられる。
下から見るとこう。ライナーロックで板バネがアルミハンドルに直接固定されている。
ライナーロック部分のアップ。全体にラフさがのこっているが、ブレードのロックは確実でがたつきなどはない。
ブレードは440Aで、最初から十分鋭利なエッジがついていた。研ぎ直しは容易。今までに錆びの発生はなし。
実用性と美しさを兼ね備えたデザインで、ハンドルのやや黄色いアルミの地肌にゴムの黒が合わさって現代的な趣がある。ブレードとベルトクリップはトルクスレンチで留められていて、その気になれば分解可能。
もう一点このナイフの特徴としては、ハンドルとブレードの間に樹脂のスペーサーがあり、ハンドルの摩擦感はこれで調整されている様子。重すぎず、スカスカでもなくちょうどいい。特にこういったナイフは閉じた状態にはロックがかからないので、スカスカのものは危険でもある。
当時はEDCという言葉が広まっていなかったが、布ケースに入れてEDCしていた。その後秋葉原を中心に警察の職質が相次ぎ、その際にアーミーナイフなどを持っていると銃刀法でつかまるという話が相次いで、リスクが高すぎるので持ち歩かないことにした。
バーベキューなどでは持ち出している。ベルトにつけていれば刃物がちょっと必要、というときにすぐ出せる。非常持ち出し袋に入れておくのもいいだろう。
ARはエアレンジャーの略で、当時ガーバーがエアレンジャーと銘打っていくつかの製品を出していた。その中にはデザイナーの名前を入れ込んだハーシーエアレンジャーというフォールディングナイフもある。AR3.00についてはデザイナーは特に誰とは聞いていない。
「エアレンジャー」の名前はおそらく空挺隊員由来で、軽量なアルミハンドル、片手で操作できる機能性なども空挺隊員が実戦で使うことを意識しているのだと思う。