Great Spangled Weblog

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吉見百穴

アイドルマスターミリオンライブ!のフェアリー属性代表最上静香は埼玉県出身。好きな食べ物はうどん。

そんな最上静香が学校の行事で何度か来ているであろう埼玉県の遺跡、吉見百穴に行ってきた。

そんなに遠くないところに住んでいるのだけど、なかなか行こうと思いつかず、前に来たのは2005年のはじめぐらいだから十年以上空いてしまった。

とはいえ穴が沢山空いた岩山という奇観は変わらず。

かつては住居だとも言われたが古代の墓だということが定説となっている。

そして岩山の下の方は戦時中に掘られた洞窟がある。

中島飛行機が空襲に耐え得るエンジン工場を建設しようとしたため。

昔はこの穴のもう少し奥まで行けたけれど、今は入り口のところしか行けない。

奥の横穴はかろうじて覗くことができる。この洞窟は特撮や映画やCMでも使われた。

かつてはかなり自由に穴に出入りできたようだけど、今は柵や鉄格子で基本的に穴に入れない。

久しぶりに階段を上がる。

8月最後の週末は晴れて暑かった。

階段の上からの眺望。

山頂にはかつて使われていたらしい家屋が。

穴の一つは日本三大がっかり天然記念物とされるヒカリゴケの自生地が。

金網にはカメラのレンズを通す穴があって中を撮影できる。

小学校の遠足で来て最初に見た時も何がヒカリゴケかよくわからなかったが、今もよくわからない。たぶん下に生えている蛍光グリーンの植物がヒカリゴケ。

植物の勢いがあまりよくなさそうだというのもあるけれど、ほとんどの人は「ヒカリゴケ」という名前からホタルのように自分で光るものだと思ってしまう。なので、金網を覗いては「なにもないや」とがっかりしてしまう。

少なくとも、隣の看板を読んで、「レンズ状細胞がコーナーリフレクターのように光を反射して光って見える」という知識を持って見れば違った印象になるであろうに。

こんな低地に自生しているのは貴重で、氷河期の置き土産と言える。

もう一方の地下工場の入り口側から超広角レンズで。

外からは小さい穴に見えるが、中は入り口の倍以上の幅の広さがあり立派な部屋になっている。ちょうど地下工場入り口のところが一つの穴を後ろから破壊する形になっていることに気がついて、このように中を撮影できた。緑のコケがヒカリゴケかどうかは不明。

穴の奥からは涼しい風が吹いてきて心地いい。地上が40度とかいった猛暑になっても、ほんの何十メートルか地下に入るだけで温度は年間ほぼ一定になる。地表の人間の営みなど大地の大きさに比べればささいなもの。地中と熱のやり取りをする熱風を出さないエアコンも開発されているがなかなか普及しない。

入り口右側に新しく吉見町埋蔵文化財センターという建物ができている。

このあたりにはムクゲが植えてあったはず、と探したらその奥にあった。

「日朝平和友好植樹」とあり1976年8月22の日付がある。

中島飛行機の地下工場建設は徴用した3000~3500人の朝鮮人を使役して行われた。いわゆる強制連行により労働者を確保したわけで、日本の負の歴史の一つといえる。

徴用した朝鮮人は戦後全員帰国したという。この植樹はその後の何らかの行事の記念と考えられる。

戦時の徴用に関しては一度はこういった形で和解がなされているということは事実として示しておきたい。だから相手方に黙っていろとか日本人に悪いところがないなどというのは極論だし、かといって、自分たちが直接経験したことでないことで互いのヘイトをあおるのもよくないことだと思う。

このブログを書く前に調べたところ、ムクゲは柵に沿って植えたものもあるというので写真を見たら本当でピンクの花が咲いていた。

すっかり昼になってしまったので、向かいの食堂に入った。

肉汁つけうどんはまさにこのあたりのうどん。讃岐うどんが流行っているけれど北関東のつけうどんもよい。これは最上静香さんもうどん好きになるはずだ。

下調べしないで行ったので松山城跡など他の史跡に寄らずに帰ってしまった。後から知った情報だと、この写真に納まっている木が生い茂った崖にかの「岩窟ホテル」があるらしい。

別に遠いところではないので、暑さもおさまってきたしまた行ってみたい。

南極・北極科学館

宇宙よりも遠い場所聖地巡礼第7弾。この夏のあまりの暑さにお盆休みにずれこんだけれど、3話に出た極地研の南極・北極科学館に行ってきた。

国立極地研究所 南極・北極科学館

立川駅から多摩モノレールで高松まで移動するとすぐ近く。この日は素晴らしい快晴でしかも7月の一頃に比べ嘘のような涼しさ。

国語研究所の脇の道を行くと南極・北極科学館に到着。

アニメでは日本国内のシーンはあえてくすんだ色合いにしたというけれど、この日の写真はごらんのようにさわやかな色合い。

屋外には樺太犬の像が。

テレビで見たときから何か見覚えがあるなと思ったら、東京タワーの下にあったものを移設したとのこと。なるほどいつぞやに見た像かと納得。

キャプ画像と比べたら口を開けてる犬が微妙に違う。像の著作権への配慮かもしれない。

南極・北極科学館の看板。アニメは風化してた感じだが実物はピカピカ。

ロケ時点から更新されたのか、アニメの時間までの経年劣化を表現したのか。

夏休み中で家族連れが多く来ていた。

そして中へ。入館無料。撮影も基本的に可能。写真はアニメで印象的だった雪に穴を掘る装置。

アニメでキマリが見てる構図は壁にめり込まないと撮れない。

などと考えていたら壁にそのキマリのキャプ画が。しっかりタイアップ中だった。

その奥にどーんとあるのがKD604雪上車。

日向ちゃんが顔を出してた窓。

雪上車内部のコンロ。この雪上車は昭和基地から往復5000kmを走破し南極点まで行ってきた車。往復に何週間も過ごすためコンロがある。

操縦席までは行けないけどギリギリ日向ちゃん位置には行けそう。

雪上車の内部全体を超広角レンズで。こんなところで、何日も何日も何日も何日も何日も何日も何日も何日も旅するとか気が遠くなる。特に夜は暖房を切って寝るのだからマジつらそう。

昭和基地の居住施設の展示。

ペンギンの剥製。

キマリ達が自撮りしてたところ。

南極の氷。触れる。

雪がかたまった氷なので白い。水に入れるとプチプチ空気が弾ける。これでオン・ザ・ロックとか最高の贅沢。

3話の皆が入っていくシーンの画角は広角レンズだと撮れる。

右にあるのは黒雲母片麻岩。穴があいてるのは強風のため。どれだけ風が強いのか。

オーロラの上映は撮影禁止なので外からドームの写真を。

ちょうど座れたので鑑賞した。

本物はきっとあれの5000倍ぐらいきれいだよ(メールの写真に対しドームの上映なので係数を半分にしてみました)。重く生きろ。

キャプ画像見ながらの撮影で展示物を案外よく見てなかったので、後でまた行ってゆっくり見学したい。

なお、この施設は日曜祝日月曜が休み。番組でも土曜日に行ったという流れになってる。

殺戮の天使二次創作メイキング

今月になって始めた『殺戮の天使』の二次創作の投稿までのメイキングです。下手な雑描きが「作品」になるのは才能がどうこうではなく、作品になるまで仕上げてゆく手順と作業です。

仕上がりをイメージして手順を考え、実際に作業する。そのために資料を用意したりソフトの使い方を覚えたりする必要がありますが、どれも必要と思えば手に入るスキルと考えます。

事前にあるていど落書きをしながらこの作品の二次創作はどうしようかと考えましたが、ぱっとひらめいたこの絵を進めていこうと思いました。アニメEDの後に続く場面があるとしたらこんなことかもしれない、という簡単な発想です。

A4のスキャナでスキャンすることを考えて、先ほどのラフ画を見ながら人物の下絵を描いていきます。

下絵にトレーシングペーパーをマスキングテープを使って仮止めして0.2mmのシャーペンでトレスします。今回はトレス1回でスキャンして後はデジタルでやろうと考えました。絵によっては2~3回トレスと修正を行ってからスキャンします。

スキャンしてから地色を白に、線画をより濃い黒になるよう色調整をし、次に絵のフォーマットの中に位置と大きさを調整して配置します。縦構図の絵は写真の2:3のフォーマットが慣れているのでいつもこれにしています。解像度は1600x2400で、以前はこれを完成後に50%にして800x1200で公開していましたが、今は作画の痕跡が読み取れる制作サイズで投稿しています。

スキャンした絵が傾いているのは、浮揚感を演出するのに重心位置が大事なので、それを調整するためGIMPで回転させたためです。

顔がだいぶ変ですが顔はデジタルで大幅に修正可能と経験的に分かっているので先に進みます。

デジタルで線画を修正しました。顔は位置と形がかなり変わっています。靴は放送2話で大写しになるので画面を見ながら形をメモしておき、それを見ながら描き込みました。昨日の放送を見て描き込み不足に気がついたので次の作品があれば反映します。

Tシャツはアニメを見るともう少し裾が長いですが、背中が見えないとこの絵を描く意義の半分が失われるのでギリギリの妥協点をここにしました。

色塗りです。レイヤーを分けて色を塗り分け、色調整して影をつける準備をします。

髪の毛は最小限の線だけ引いておいて、あとはある程度筆任せで形を作っています。風でふわっと浮き上がる長髪とかもっとちゃんと描けるようになりたいですね。

月の円は、SAI2の鉛筆ツールを思いっきり太くして「点」として描いています。

金曜の夜に色を塗り始めて土曜の朝に月を描いて、夕方には体全体を仕上げて投稿しました。

SAIの場合は色を塗ったレイヤーの上に「下のレイヤーでクリッピング」したレイヤーを置けば、下のレイヤからはみ出さずに陰影を塗ることができます。このクリッピングしたレイヤーは1つのレイヤーに複数置けるので、例えば肌の場合影とハイライトと血色の良さを表すピンクの層を別々に作って重ねることができます。

月は自分で撮影した写真をHDDから発掘して使用。満月は登ってから沈むまで同じ円ですが、角度が時刻によって変わるので、撮影時間から実際の絵の想定時間を考えて回転変形しています。あと絵にしやすいようコントラストを変えています。このまま絵に合成しようかともおもいましたがさすがに絵で描きました。

羽毛は下書きなしで、鉛筆ツールでアウトラインを意識しながら塗りつぶして作成し、根元のファーの部分をエアブラシと筆で足して、あとは「下のレイヤーでクリッピング」したレイヤーでちょっと陰影をつけています。最後に下のレイヤーに薄くエアブラシを吹いて光ってる感を出します。

構図としては逆三角形構図で、重力を想定すると不安定に見えて動きを演出できる構図ですが、「上に落ちる」という普通じゃない重力の状況を考えてほどほどの動き感を狙ってみました。

ヴァンゲリスの『反射率0.39』のジャケットもちょっと意識してます。

髪の毛は先の方に行くほど密度が薄くなるので背景が透けて見えるように色を乗せています。自分の経験ではこれが限界><。

で、今回イラストをブログのネタにしはじめたこともありメイキングを意識して進めたのですが、記事を考えながら自作を繰り返し見ているうちに違和感がどうもある、というのでちょっとした修正を加えて再投稿しました。

www.pixiv.net

額の角度をちょっと変えるだけでだいぶ印象が変わるものです。横顔はある程度自信があったのでその油断からデッサンの狂いに気がつくのが遅れました。

しかし再投稿が課金対象というpixivの企画は鋭いところをついています。

Albedo 0.39

Albedo 0.39

桐生八木節祭りのブルーインパルス

2018年8月4日にブルーインパルス桐生市に飛来するというので行ってきた。

八木節祭りという地元の祭りで、群馬のイベントとして初めてブルーインパルスの飛行展示を招致することに成功したとのこと。

ちょうど酷暑の時期ではあったが、開催が16:30~と暑さのピークをやや過ぎた時間だったので行ってきた。

お祭りでは公共交通機関がいいだろうとネットで調べて東武線で佐野まで行き、両毛線で桐生に行った。どちらの電車もすごく久しぶりに乗った。

八木節祭りはよく知らなかったのだけど、駅からすぐの商店街で開催されていた。ショーセンターは本町五丁目交差点とのこと。

駅前には自衛隊のブースがあり、グッズを販売する店もいくつか出ていたので駅の近くに場所をとって時間を待った。

群馬地本はヘルメットやパイロットスーツで記念撮影サービス実施中。ヘルメットは持たせてもらったけどすごく軽かった。Gがかかると重さが何倍にもなるのでヘルメットの軽さは重要。

群馬地本のウイングロード2台。

八木節のメインステージ。

予定より10分ほど遅れて飛行展示開始。珍しく遅れ気味で始まったが、天気は快晴、途中中断もなく全スケジュールが無事実施された。

ブルー1番機。パイロットは飛行隊長の福田哲雄2等空佐。出身大学は放送で桐生の群馬大学と言っていたので工学部の出身。この飛行展示は母校への凱旋でもある。

平面に描いたハート。キューピッドとはちょっと違う演目。

望遠レンズでなかなか機体をフレームに入れられなかったがこれは一番大きく撮れたカット。

演目はキューバーンエイト。

夕方なので西日が当たって機体の白が映える。

最後に編隊で会場をパス。

6機があつまってRTB。タンクを積んでるので松島に直帰かと思ったら入間に戻ったとのこと。というか翌日入間から移動する途中のブルーを目撃した。

この日は足利花火大会もあり、両毛線は行きも帰りも混雑していた。ただ、桐生発佐野行きの臨時列車が桐生発だったので座って帰れたのは助かった。

ブルーインパルスは久しぶりだったので撮影はあまりうまくいかなかったが、周りの人が「かっこいー!」と素直に喜んでいるのを聞いてすごくうれしくなった。撮影だけではなく、ブルーインパルスに沸き立つ会場の雰囲気を楽しむためにこんどは出かけたい。あと周波数も次こそは捕まえたい。

MRE実食レポート

7月末の週末は台風が奇妙なルートを通って日本に上陸。北関東はどうという災害はなかったが出かける用もなかったので、2015年に霞ケ浦駐屯地の記念行事で購入したMREを食べてみることにした。

glemaker.hatenablog.com

これが全体のパッケージ。MREとはMeal, Ready-to-Eatの略で、アメリカ軍の戦闘糧食。5年保存可とのことで3年ほど非常用に食べないでいたけど、今食べないと忘れて5年以上過ぎそうなので食べることに。

開封。MREはメニューが複数あり、同じ食事で兵士が飽きることがないよう配慮してある。今回のは売店の人が「割とマシ」と言っていたので選んだローストビーフ(戦闘糧食なのである程度まずいことが前提)。

右端のボール箱が野菜つきローストビーフ。中央下からブラウニーのケーキ、クラッカー、オレンジジュースの粉、スプーン・調味料・紙ナプキン等の小袋、スプーンの左はいちごジャム。左側の緑っぽいグレーの袋はガーリックマッシュポテト。

左上のナイフは開封に使ったアル・マーのホーク・ブラックパールで当然MREに同梱されていない。

ローストビーフの成分表示。

ブラウニーケーキの袋。

ガーリックマッシュポテトは成分表を印刷した紙が別途ついてる(なぜか2枚入ってた)。

ローストビーフの箱にはちょっとした注意書きが。表題に「軍用レーションは高機能食品」とある。左端の文章は要約すると「訓練、展開、戦闘にはとにかく食え」とある。

中央の図は「食事>エネルギー>最高のパフォーマンス」というストレートな表示。

右側は食事が不十分だとどうなるかが書いてある。「強さを失う、持久力が低下する、モチベーションを失う、精神的な警戒が低下する」とある。

要するに兵士に最高の能力を発揮させるために「とにかくこれを食え」と勧めるのがアメリカ流。

図の下に具体的に何カロリー必要か目安が出ているがMREを1日3食食べろとか野外では2800~3600kCal必要とか書いてある。外で働く若者でないと明らかにカロリー過多でおこられるw

開封して食べる準備を進める。オレンジジュースは冷えた水でもそこそこ溶ける。飲み物はほかにコーヒーが砂糖、ミルクつきで用意されている。

皿に野菜つきローストビーフを乗せる。野菜に隠れてるけどビーフはそこんそこの量がある。

マッシュポテトも盛る。本当にニンニクの臭い。特に暖めずに食べたけど、まずいということはなく普通に食べられた。ただし毎食これだときついだろう。

正直ローストビーフとマッシュポテトで腹いっぱいなのだが、まだクラッカーとブラウニーがあるw

クラッカーはジャムを乗せてなんとか食べられたけどブラウニーはしばらく時間をおいて食べた。

3年保存後でもこれらは品質に何も問題なった。

ただ、コーヒーとミルクは袋を開けたらペースト状になっていて、嫌な臭いはしなかったけどちょっと心配なので飲むのをやめた。

MREは2016年にも1食手に入れているので、機会があったら開封したい。

武蔵野線大宮支線の地上トンネル

「災害レベル」と言われた今年の7月の暑さ。さすがに月末になると台風が来たこともあり外を歩ける気温になった。

そこで、以前から計画していた散策コースを歩いてみることにした。

場所は武蔵野線大宮支線のトンネル区間

武蔵野線は貨物列車が都心を迂回するために建設された経緯があり、東海道線、中央線、東北本線常磐線などと線路がつながっている。このうち東北本線に接続する大宮支線は、西浦和武蔵浦和間で上り下りとも分岐し、中浦和駅手前で合流して大宮台地を貫くトンネルに入る。トンネルは北浦和〜与野間で地上に出て大宮駅で東北本線に合流する。

大宮支線は主に貨物列車が走っているが、客車も日に何本か走る。大宮側からホリデー快速河口湖に乗って立川まで移動したことがある。特急列車の車両に座って乗り換えなく移動できて快適だった。列車は大宮を出てほどなくトンネルに入り、次に出たときはもう中浦和をかすめて武蔵野線である。

このトンネル、列車からは1本のトンネルに見えるが、実は南北の2本に別れている。基本的には大宮台地を潜っているのだが、別所沼につながる低地の区間は地上に一度出る線形となっている。

ところが、このあたりは住宅地であり、夜中も走るであろう貨物列車の騒音に配慮してか、地上区間はコンクリートの函ですっかり覆われている。そして、住宅地に直線状に続くコンクリートの奇妙な壁があると話題になっている。

まずは京浜東北北浦和駅に移動。今年の大洗のポスターは水着じゃなかった。

近くの埼玉県近代美術館は浦沢直樹展を開催中。

すごく久しぶりに降りた北浦和駅。アニメ『浦和の調ちゃん』の舞台にもなった。ここからの写真はGPSによる位置情報つき。

国道17号を南下し、りそな銀行のところの交差点を渡り、Googleマップを見ながら線路の上あたりの細い道を南下。交差点に両方がらせん階段の歩道橋があった。

そして到着。道路の向こうに三角形のスペースがあってその先の壁高欄の位置がトンネル抗口。

振り返るとトンネルの上の土地が駐車場になっている。

土地の利用状況から推測すると駐車場の位置までが開削によるボックスカルバートでその向こうはシールド工法だと思う。

「壁」に沿って歩くと歩道橋で渡れるようになっていたのでその上から。天端は防水のためアスファルトのようなもので覆ってある。

南の方を見るとツタが生えている。

側面はほんとうに何もない壁。本格的なコンクリート構造のボックスカルバートと推測。

2本目の歩道橋。写真で分かるように、歩道橋は函体から独立した構造になっていて一切接触していない。

住宅地の路地と謎の「壁」が交錯する場所。

南を見ると比較的新しい道路橋が上を跨いでいる。この橋も「壁」とは独立した構造で接触していない。

橋をくぐると3本目の歩道橋が。その先で地上区間は終わり、2本目のトンネルが始まっている。

その歩道橋の上から。民家と道路橋をギリギリで「壁」が通っているように見えるが、もちろん「壁」が先にあって橋や住宅があとからできたもの。

南を見ると函が地面の中に続いていて抗口がどこかはよくわからない。

このへんまで来ると函の天端が腰ぐらいの高さに。杭があるところがトンネルと地上区間の境界かもしれない。

そして抗口の上の道路から。「壁」の場所がJR東日本の私有地であるという看板がある。

こちらのトンネルも上の土地が宅地として利用されていて、工法が開削なのかシールドなのかちょっと分からない。区間が短いし深さも浅いので開削のような気はするが。

さらに南に歩くと南側の抗口に到着。遠くに埼京線中浦和駅が見える。

抗口が見える道はこの通りの急な坂で、大宮台地の端部となる。

階段を降りてみたら台地と低地の境界によどんだ川があって一気にテンション上がる。土地の高低差と水のあり方が理屈の通り。台地の縁は多分水が染み出していて川としてしか利用できないのだろう。

下流側を見ると大宮支線はトンネルを出てすぐにギリギリの高さで川を跨ぐ橋になっている。

この川をたどると水源の湧き水とかあるのだろうかとGoogle Earthで調べてみたが、川はさいたま新都心で暗渠になっていてそれより上流は辿れなかった。支流に湧き水がないかもう少し調べたい。

中浦和駅まで来ると、ちょうど大宮支線を走っていく貨物列車が見えた。

中浦和駅の改札は初めて利用する。

ホームから南西方面、大宮支線が2本に分かれてそれぞれ武蔵野線の方へ伸びている。

反対側を見ると、大宮台地がホームの高さより少し高い標高で存在するのが分かる。そこが浦和の市街地となっている。

左下に、中浦和で高架だった大宮支線が高さを変えずにトンネルに入っていくのが分かる。

大宮台地は起伏に乏しい関東平野の中でも比較的ダイナミックに高低差が見られる場所。北は行田市の埼玉古墳群のあたりから始まり、東北本線に沿って川口まで続いている。

武蔵野線大宮支線は南から大宮台地の与野支台と浦和大宮支台をトンネルでくぐって東北本線に合流する。2つの支台の間が地上トンネルとなっている。2本のトンネルは与野支台をくぐるのが与野トンネル、浦和大宮支台をくぐるのが浦和トンネルというらしい。

また面白い地形が分かったら行って報告したい。

模写をしよう(その2)

前回に続いて写真の人物を模写する話。

glemaker.hatenablog.com

最近描いたものがあるので工程を前よりもう少し具体的に書ける。

まずは見本と模写の写真。道具は「大人の鉛筆」と消しゴム。あとクロッキー帳。

見本と比べると誤差が多くて見せるのをやめたくなるがそこをぐっとこらえる。

絵の大きさはこの通りで、だいたい20分ぐらいで描くのであまり大きくしない。

クロッキー帳はマルマンのLS-02というもので、大きさはA4より二回り大きい。

スキャナーで読めるサイズがA4までなのでそれに余裕を見込むとこのサイズがちょうどいい。1ランク小さいのも使ってみたが狭くて描きずらかった。一方このサイズだとたびたび端の方がA4からはみ出すのでスキャンしてからデジタルで描き足すことになる。

大人の鉛筆は削らなくても芯だけ繰り出すことができるエコな鉛筆。これを使うと不思議と絵が上手くなったような気がする。

シャーペンに比べると線が太いことと、筆圧により濃淡をつける程度が大きくなるのが多分その理由。特に線が太いことは重要で、太い線で描けばその中に正解の線がある確率が高く、目で見るときは太い線の中から正解の線を補完して見ることになるので上手く描けたような気になる。

消しゴムは学用品として売っている普通のプラスティック消しゴム。

さて、見本と道具が揃ったら始める。

まず輪郭を描く。

中身の人間をちゃんと描こうと思ったら、輪郭が正確でないといけない。正確な輪郭であれば中にまともに人を描ける可能性があるが、逆はない。

という話とは別に、人の脳の情報処理の話もあり、顔に注目して描こうとすると顔を記号として脳が処理するため、各要素の二次元座標を忠実に拾うのが難しくなる。

だいぶ前から経験的にそれが分かっていたのだけど、前に言及した『脳の右側で描け』という本はそこを「Lモード」、「Rモード」という言葉で分かりやすく説明している。

もっとも40年も前の科学的知見に基づく本だから今では厳密にはあまり正しくないかもしれない。しかし、実感として、脳の情報処理モードに「Lモード」と「Rモード」の2通りがあるのはなんとなく分かる。

輪郭については、とにかく背景と人物の境界に着目し、まず両肩の幅を抑え、次にそれを底辺として、頭の位置がどのあたりかというのを抑える。幅と高さが掴めればプロポーションが大まかに分かる。あとは左右の境界線の微妙な凹凸を目で追い描いてゆく。

もちろんXYプロッタのように正確になぞるのは無理。場所を把握できた点を紙に打って、さらに違う場所を把握して、を繰り返して輪郭を描いてゆく。

アウトラインができたら中を埋めていく。

服の袖の皺などは位置をつかみやすいので早めに描いていく。帽子もアウトラインがつかめれば、相対的に内側の境界線も見えてくるのでそれを描く。

髪の毛はアウトラインを構成する部分を先に描いて、次に肩に落ちるところを描いていく。肩のどの位置に髪がかかっているのかをできるだけ正確に抑える。帽子と髪の間に顔があるので、これらが正確なら顔も正確に描ける。

帽子のテクスチャを書き込んだり服のニットの線を入れたりして適度に頭を休めつつ、髪の毛を細かく描いていく。

前髪の下端と、左右の顔との境界は顔の輪郭に対して「ネガのスペース」なので、髪の形をじっくりみてできるだけ正確に描く。

「ネガのスペース」とは、『脳の右側で描け』でベティ・エドワーズ氏が使っている言葉で、「ポジのフォルム」の補集合。顔本体が描こうとするもの=ポジであり、そのフォルムを描くのだけど、「ポジのフォルム」の境界は補集合である「ネガのスペース」の境界と等しいというのがこの本の主張。

補集合を押さえれば残りが集合なわけで数学的にも正しい。

ということで、図のように、前髪の下端と、髪の左右の形を正確に把握して描いてゆくと徐々に顔の輪郭が形成されてゆく。

左右の端部ができると、顎がどの位置かも見えてくるので描く。この際は襟との間に描かれる首の形が見本に似るようにする。首もまた顔に対する「ネガのスペース」として機能する。

顔の輪郭ができたら、あとは見本を見ながら目鼻を描いていけばできあがり。

ネガのスペースを形作っていく間に輪郭が正確になり、絵の中で顔がどのように位置しどこを向いているのかがつかめてくるので、顔のパーツはあるべき位置に自然と収まる。

とはいえ、「あるべき位置」が見えるようになるには経験が要ると思うので、輪郭ができたら眉の位置を抑え、口の位置にあたりをつけ、上瞼の線をじっくり見て同じになるように描き、というふうにパーツの細部ごとに描いていくのが初歩の練習だと思う。

なお、写真にもあるように、この大きさの顔だと顔パーツは「大人の鉛筆」の芯の下にかくれてしまう。なので、顔パーツをらしく描いていくのは本当に経験と勘の世界。唇の間から覗く歯、瞳の上のハイライトなども、芯の下で見えないところに力加減で描いていく。

もちろん、慣れない人は、鉛筆の芯を研いでシャープな状態で描くことをお勧めする。

芯が丸い状態で力加減だけで描くというのは研ぐ手間を惜しんでいるにすぎず別に偉くない。

なお、実はビギナーに特に難しいのは鼻ではないかと思っている。鼻は顔の真ん中で盛り上がっているし、下に穴が2つある。ところが、鼻の立体感を鉛筆で書き込んでいくと、特に若い女性の顔は容易に破綻してしまう。

鼻の立体感を意識しながら、写真で見える鼻の穴をピピっと描いて、端の谷の線をちょっと足して、目の間に鼻筋を少し描いて、それ以上描かない、というのがこの絵で発揮した鼻スキル。

リアル人間は参考とすべき写真があるからいいが、二次元の美少女の鼻はどうあるべきか、は非常に難しい。「忘れ鼻」という、見た後に印象が残らないのが美人の鼻であると昔から言われる。しかし、目鼻立ちが整っていることが美女の条件であるなら、鼻の描写から逃げるわけにもいかない。二次元美少女の鼻はずっと取り組んでいる答えが見えない課題。

現代は写真が容易に手に入る。美術の先生は立体物のデッサンを勧めるかもしれないけど、目標が2次元美少女なら立体を直接見て絵にすることにさほどこだわることもないかと思う。もちろん機会があれば立体のデッサンに取り組むのもいいけど、アトリエに行く機会がないような場合は、手近な写真を模写する方が、何もしないよりずっといいと思う。

デッサンについて話せることは以上。

なお、自分はきれな線は描けないので、イラストや漫画の「ペン入れ」に関することはお話しできない。次にイラストについて語るとしたら多分彩色のことになると思う。

(その後液晶タブレットを導入して、ようやく普通に線が描けるようになった。板タブは手元が見えないので線が伸びる方向が分からず、きれいに線が引けなかったと判明。ただし、今も線はそれほど得意ではなく、ほぼソフトの手振れ補正に頼っている。とはいえ、「長い曲線は一度に引かず継ぎ足して引く」等のノウハウは持っているので線のブレが目立たないようにはしている。いずれにしても自分の絵では「きれいな線」の優先度は低いので解説記事は書く予定はない)