Great Spangled Weblog

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秋の野草ハイク

9月16日からの3連休。曇ったり日が差したりで雨は降らなさそう。ということで野草を見に近くを回ってきた。一番の目当てはワタラセツリフネソウ。

まず北本自然観察公園へ。

www.saitama-shizen.info

北本市で大宮台地が荒川の支流に侵食された谷戸を丸々保存している公園。この夏NHKでも放送された。

www.nhk.jp

この公園の存在を知ったのは一昨年だが、以後定期的に行っている。特に冬に行くと何かしら鳥が撮れるので、朝から望遠レンズを持った野鳥おじさん(おじさんだけじゃない)に混じって散策するのが楽しい。

夏場は木の葉が茂っていて野鳥の撮影が難しいので、今回は望遠レンズは持たず、105mmと50mmのマクロレンズを持って行った。このうち105mmレンズが便利すぎてずっと使っていた。

冒頭の写真のようにいい感じの道をニコンZ6とZ MC 105mm f/2.8 Sを持って歩く。ありふれたイノコズヅチも貴重な山の野草みたいに撮れた。

同じ場所にミズヒキも。森の下草にこの赤い実が並んでいるのは私の好きな景色。

キンミズヒキはギリギリまだ咲いていた。

撮影データの詳細はEXIFを見ていただくとして(写真はどれもJPEG撮って出し)、ピントは老人と文学社の動画などを参考に親指AFで合わせてみた。AFエリアは画面全体、AFモードはAF-Cで、電源を入れてOKボタンを押すとターゲットマーカーが出るので、それをピントを合わせたい場所に置いて親指AFボタンを押す。すると画角を変えてもAFエリアが目標をずっと追い続けるので、構図に専念できる。AF-Cなので目標との距離が動いても自動で補正してくれる。構図が決まったら人差し指でシャッターを押す。

本来は動きものを撮る「ターゲット追尾」という機能だが、動きが少なくても広く応用できる。ニコン1にも同様の機能があったがニコン1はピントが深く、こういう機能の必要性を感じなかった(望遠レンズで動きものを撮るときはカメラの処理速度がプアで「追尾」できなかったというのもある)。

105mmレンズは昆虫に向いてるのでナツアカネを撮影。「親指AF」で頭にピントを合わせたが奥の目にピントが合い手前の目はぼけていた。

トネアザミ。

レアな野草ではないがカナムグラも花が咲いていた。

クズもちょうど花の時期。花を見ると間違いなくマメ科だと分かる。

シオカラトンボ♂。

ミクリ。

ハッカ。この公園で一部にだけ生えている。花の時期は終わっているが匂いでそれと分かる。摘まなくても手で触れれば手に匂いが移るので判別可能。

目当てのワタラセツリフネソウは少しだけ咲いていた。

一夜堤から北里の森の下を抜ける道が通行止めなので、キツリフネが咲いているエリアまでは行けず、ここでのツリフネソウ観察はこれで打ち止めになった。

通行止め区間があったので公園をフルで回れず、ショートコースを回って終了。湿地の上の木道から見たら栗の木に実がなっていた。

アサザの葉の上でギンヤンマが産卵しているのを見つけた。写真はトリミング。ギンヤンマはここの他だとなかなか見られないが、この公園は普通に飛んでいた。

自然学習センター近くのセンニンソウ

カラスウリも1つ実が赤くなっていた。

ツリフネソウチャレンジは今一つで、公園の散策もショートコースだったので、もう一か所ツリフネソウポイントに行こうというので宮代町の「新しい村」に移動。

www.atarasiimura.com

「新しい村」は東武動物公園のすぐ近くにある農や自然をテーマとした公園的な施設。

ワタラセツリフネソウが無事咲いていて日も差すようになっていた。

明るいと絞れるのでピントも深くなる。105mmでは無理に寄るよりある程度離して撮る方がピントが合う範囲が深くて撮りやすい。

ワタラセツリフネソウがどれぐらい咲いているかというとこういう勢い。

「吊り舟」という名前は独特の花の形から。花の奥がくるっと丸まっているのは、チョウやガの吸い口の長さに合わせてあって、花の奥の蜜を吸おうとすると背中に花粉がつく仕組み。

https://youtu.be/SluBcSlPRvg?si=r3Oem-Bm8G3467R9

とはいえ、この花の形はむしろ、リルル星人の帽子の形を思い出す。花の印象がアニメと一体になって心に深く刻まれることになった。

東側の稲作体験エリア「ほっつけ田」は、合わせて人里に接する自然の保存エリアでもある。立派な柳の木と木の橋がある。

北本自然観察公園では時期が終わっていたオカトラノオがこちらではちょうどよく咲いていた。

ハッカも花が咲いていた。ハッカは野生種だとは思うが、ひところ多く栽培されていたのでその野生化した株かもしれない。北本で見たのと見た目も違うので品種が違う可能性も。

柳の下の保護エリアもワタラセツリフネソウがこの勢い。

これはフジバカマだと思う。

北本自然観察公園に多くの自然が残されていることは論を待たないが、「人里」として整備されている「新しい村」も相当に貴重な植物が残っている。埼玉県の北部のポテンシャルはかなり高く、「新しい村」レベルに整備するだけで多くの自然に触れられる場所を作れるのではと思う。これは埼玉県環境科学国際センターの庭園の状況からも確認できる。人が我慢する必要はあまりなく、ちょっと気をつけるだけで、人と自然とがwin-winな関係を築けるようになるはずだ。