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運動しても痩せないので食事を減らしたら痩せた話

結論を言えば、ダイエットに成功する方法は食事で取り込むカロリーを減らすこと。体のエネルギー消費に対して摂取するカロリーが低ければ差分は体脂肪から補われ、脂肪が減ることにより体重が減少する。

アニメ『豚のレバーは加熱しろ』の主人公、豚さんは自分の人間時代をこう言う。「眼鏡ヒョロガリクソ童貞」。眼鏡ヒョロガリはそのまま自分の自己イメージそのもので、長い間「私、いくら食べても太らないんだ♡」という認識でいた。

しかし人間、いつまでも「眼鏡ヒョロガリクソ童貞」ではいられない。加齢とともに代謝が低くなり、いずれは消費カロリーが摂取カロリーを下回るようになる。

自分には2019年にその時が来た。腹囲と中性脂肪メタボリックシンドロームの目安、それぞれ86cmと150mg/dlを超え、メタボ予備軍になってしまった。自分の身体の変化に気付かぬまま好きなように飲み食いして、気付けば隠れ肥満である。

2019年は講習を受けて、甘いドリンク類や間食を控え、食事も少なめにして頑張って数値を改善したが、翌年以降メタボの境界線をしばらくさまよった。

勤務先が変わって歩く量が増えたがそれでも不思議と体重は減らない。通勤だけではなく、カメラを持ってあちこち出かけて歩くことを心がけても全然減らない。顔を触ればふっくらしているし腹も肉がたるんでくるし。どうしたものか。

去年7月にコロナにかかって体重が落ちた。それを維持できるかと思ったら簡単に元に戻ってしまった。

glemaker.hatenablog.com

そして考えた。

昼食のカロリーを半分に減らすぽん。

昼食をずっと外食にしていたのだが、毎日なか卯で食券を買って空席ができるまで待つ食生活に疑問を感じ、別におにぎり2個ぐらいでもいいんじゃないかと、思い切って昼食を減らすことにした。

11月から食事を減らしてやがて冬。上のグラフにあるように体重や腹囲が減り、中性脂肪も150を下回り、おまけにHbA1cも下がって正常値になった。

日々体組織計で測ってスマホに転送している体重もこの通り。明らかに冬に向かって減少傾向になっている。

体重を減らすのは簡単な話だ。摂取カロリーを消費カロリーより少なくすればいい。理論はこれ以上ないくらいシンプル。

この方法が正しかったことは、ハーマン・ポンツァー:『運動しても痩せないのはなぜか』を読んで再確認できた。強いて言えば、断食のような極端なことはしなくてよかったということ。極端な食事の制限は体を飢餓モードにしてしまい、代謝が落ちて痩せにくくなる上に、食事の欲求が増して簡単にリバウンドしてしまう。

詳しいことは本を直接読んでいただきたいが(ダイエットだけでなく人類そのものへの理解がぐっと深まる)、ヒトの1日の消費カロリーはホメオスタシスの働きにより日々ほぼ同じに保たれていて、運動をしてもしなくてもほとんど変わらない。運動でカロリーを消費すると他のカロリー消費が抑制され、結果として総量は同じになる。だから、体重を減らすためには摂取カロリーを減らし、不足を体脂肪の消費で補うようにするしかない。

細かいところでは、脂肪は案外簡単に燃焼できるので、「糖質制限」などというものはほとんど無意味だという話(医師が指導する場合は別)。もし摂取カロリーが多ければ糖質は脂肪に変わり蓄えられる。消費するときは糖が不足してくれば脂肪が代わりに使われる。人体の脂肪はエネルギーの貯金なのだから、引き出すのはそれほど難しくない。ごはんの量を減らしたり食べなかったりしても、代わりに脂質をとればカロリーは間に合ってしまう。例えば肉だけ食べてご飯抜きにしたところで、肉の脂身が糖の代わりに燃え、余ったカロリーは脂質として蓄えられる。脂肪は糖質の倍もカロリーが高いので、わずかな量でも間に合ってしまう。あくまで、体重のコントロールで重要なのはエネルギー収支の量的な話だ。この本では糖質制限ダイエットといいつつ実質的に摂取カロリーが減っているならそれでいいのではとある。もちろん減っていなければ無意味だ。

血糖値と中性脂肪も、両方合わせて血液が身体に運ぶ燃料ということで、血糖値が多すぎるとタンパク質を硬化させていろいろ害があるので基本的に低い値に抑えられていて、中性脂肪を血中に流すことで補っているらしい。全部を脂肪にできないのは脳のように糖しか使えない器官があるため。

健康診断でメタボ回避に成功したが、体重を65kg台にしたいのでもうしばらく少なめの昼食でやっていく予定。おにぎり2個とゆで卵1個の組み合わせが自分にはちょうどいい感じ。

北沢志保のように痛みと仲がいいのはよくないが、空腹とは仲良くした方がいい。ヒトは長年飢餓に耐えて生きてきた。寝る前に「ちょっと一口」などと食べなくても死にはしない。

それでも夕方空腹が気になるときは、「ひもじさに耐えられぬ時は、これを食べるがいい」ということでシリアルバーを1本カバンに入れている。

なお、運動をしても痩せるわけではないが、減った体重を維持したり、QOLを高めるためには運動は必須というのがハーマン・ポンツァー氏の見解。自分としては走るより歩く方が向いているので、できるだけあちこち歩きたいと考えている。重いカメラを持って歩くのは立派な運動で、これを誰もスポーツだと認めてくれないのは実に不思議だ。