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ぬか床を新たに立ち上げてみた

妻がぬか床パックを買ってきて試しに漬物の自作を始めた。1月2月とそこそこ食べられたが、3月に「ダメになった」と一言残して捨ててしまった。

という失敗で自家製ぬか漬けから一度は足を洗ったが、漬物は発酵食品ということは十分に理解した。

しかし、自分でものを揃えて0から立ち上げれば、いずれは成功するのではないかと考えた。うまくいかなくても途中経過を知っていれば原因は突き止められるだろう。

やり方はネットにいろいろあるが、下記サイトが一番参考になった。

marron-dietrecipe.com

それで道具と材料を購入。

2.1Lの角型プラ容器を購入。ぬか漬け用に販売されているもの。2人分作れればいいのでまずはこのサイズで。

塩は漬物では大事なので、天然塩に近い伯方の塩を選んだ。精製塩でほぼ塩化ナトリウムという塩では面白みがない。

これらはホームセンターで買えたのですぐ揃ったが、問題は米ぬか。米屋で手に入るとネットにはあるが、近所で米屋など見たことがない。と考えていると、道の駅などの農協の直売所で売っているのを見た記憶が。あそこは玄米を保存して都度精米して販売しているので毎度米ぬかが出る。

それではと、在宅勤務で昼休みに近くの農協の直売所まで行ってきた。

米ぬか520gで10円!

捨て漬けに使う野菜も買った。葉に乳酸菌がいるというので葉つきのカブやニンジン、それにセロリ。どれも採れたてでしかも安い。

で仕事を終えてから作業開始。

まず、水を500ccほど鍋にかけ、塩80gを入れて沸騰させる。正しくは沸騰してから塩を入れるとあとで知った。これで水は完全に殺菌できるので、ミネラルウォーターとかは使わない。

米ぬかはできたての生を入手したので、加熱して炒りぬかに。生派の人もいるけど、雑菌や虫の卵があるので加熱するのが無難。といっても実際は炒るわけではなく電子レンジを使った。容器の制約で200gずつ3回に分けて各々500Wで2分の加熱。これで十分熱くなり、ふわっといい香りもしてきた。米ぬかがこんな食材だとは知らなかった。

加熱の終わった米ぬかから塩水を入れて練っていく。水の量は足りるか不安だったが、ぬかと同量で最終的に耳たぶぐらいの固さになったのでこれで十分。念のためスプーンで混ぜ始めたがそのうち冷えてきたので手で練った。500gとはいえけっこう力を使う作業だった。

容器に入れたところ。容器は新品とはいえ離型剤とかあるので洗剤で洗い、水気を切ってからアルコール(スピリタスを使用)を少量注いでぐるぐるまわして殺菌した。

そして野菜くずを入れて捨て漬け開始。唐辛子も2本、種を捨てて入れた。

塩水と容器とぬかはほぼほぼ除菌できているはずで、これに野菜から乳酸菌を移す。ぬか床に菌が繁殖してバイオリアクターとなるには10日ぐらいかかる見込み。

なお、最初こそぬか床を練るのに手袋を使ったが、捨て漬けの野菜を入れるとき素手を使うことに。捨て漬けの期間中は朝晩2回混ぜろとのことでこれも素手。毎度使い捨ての手袋は使えない。

ぬか床がかなりの塩分濃度なので、手の雑菌がそんなには悪影響にならないのでは、とは思う。

そして2日ほどで最初の葉っぱを取り除き(千切れて全部は取れなかったw)、次は写真のカブを1本葉ごと丸ごと入れて捨て漬け第二ラウンドで現在。

捨て漬けの野菜から出た水分でちょっとぬか床が柔らかくなってる。

あと、ぬかの香ばしい匂いだったぬか床が少し酸っぱい匂いにになってきて、乳酸菌が増殖を始めているという手ごたえを感じた。

なお、3月まででうまくいかなかった原因は温度にあると思った。乳酸菌は冬場の低温では繁殖力が弱い。その上冷蔵庫に入れていては、いずれは雑菌が優位になってしまうだろう。今は室温が20℃をちょっと下回るぐらいなので、もう少し温度が欲しいけど、冬ほど過酷ではないと思う。

また、ぬか床をかき混ぜる理由も改めて知った。乳酸菌は嫌気性なので、ぬか床の表面では酸素が多く違う菌が繁殖してしまう。それで、表面と底とを入れ替えるのが「かき混ぜ」。これで乳酸菌を優位に保つ。なので、混ぜた後は上から押さえて空気を押し出す。表面も平らに均す。

それを知らずにパックのぬか床を袋ごと揉んで酸素を送り込んだところ、たちまち生ごみ臭がして大変だった。漬物は生ごみ臭がして、舌先がピリピリして、飲み込もうとすると寒気がして身体が拒絶した。

かように漬物と腐敗は紙一重である。果たしてこの新しいぬか床が無事に育つか。いずれまた続報を。

伯方の塩 1kg

伯方の塩 1kg

  • メディア: 食品&飲料